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手打ちと手延べの違い/鴨方手延べ麺の正体

本記事は過去に実施したキャンペーンの特別記事です。
内容は2022年取材時のものです。

鴨方手延べ麺の正体 ~手打ちと手延べの違い~

「麺を作っている自分たちからすると、手打ちと手延べには大きな違いがあります。でも、お客さんからするとその違いって実はイメージするのが難しいんですよね」と、鴨方町手延素麺生産者協議会で会長を務める最上和洋さん。

言われてみるとその通り。手打ち蕎麦やうどんを作っている場面は想像がつくけれど、改めて考えてみると“手延べ麺の作業シーン”ってあまりピンとこないかも。ということで、今回は「そもそも手延べ麺って何?」という疑問を紐解いてみましょう!

教えてくれた人

最上洋さん

鴨方町手延素麺生産者協議会会長。『最上手延素麺(有)』の会長も務めており、半世紀近く手延べ麺作りに携わっている。金魚とメダカを愛でることが日々の癒し。

 

手打ちと手延べの違い

手打ち麺と手延べ麺、決定的な違いはその作り方にあります。手打ち麺は生地を“切って”、手延べ麺は生地を“延ばして”作ります。大まかな工程で比較してみました。

【手打ち麺の場合】
生地をこねて丸くする⇒麺棒で薄くのばす⇒折り畳む⇒好みの太さに切る

【手延べ麺の場合】
生地をこねて丸くする⇒生地をねじりながら引き延ばす⇒熟成⇒引き延ばす…⇒好みの太さになるまで熟成と延ばしを繰り返す

 

大きな団子状態の生地を切れないように細く引き延ばすには熟成が必要。生地を休ませては延ばす作業を繰り返し、そうめんやうどんの細さにまで麺を延ばして作るのが手延べ麺の大きな特長です。

生地の材料となる小麦・塩・水を混ぜ合わせ、製麺作業の第一工程『こね作業』が始まると、麺の状態を最優先に考えながら作業が進みます。完成までの作業工程は10以上あり、手延べ素麺は約24時間、手延べうどんでは約48時間もの時間を要します。そのため、手延べ麺職人は「今日は作業を中断して、続きは明日に」なんてことはできないそう。昔は、『素麺屋は親が死んでも葬儀は後日』と冗談めかして言われていたほど、麺づくりは一度始まると気が抜けない作業ということです。

まとめ

浅口市の特産品である手延べ麺は、一度にギュインと延ばせる訳ではない…。完成までに手間暇かかる手延べ麺は「熟成&延ばしがポイントとなっている」ということですね! 手延べ麺の特長を伺っていると、さらなる疑問がわいてきました。
なぜ、浅口市鴨方が手延べ麺の産地となったのでしょうか?
はたまた、いつ頃から手延べ麺は作られていたのでしょうか?

次の記事では、鴨方手延べ麺の歴史についてご紹介します!

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